資料・ヨーロッパの連帯保証人制度

 

世の中にはどうも、連帯保証制度は江戸時代の遺物で欧米にはない、とかいう人がいるのですが、そもそも江戸時代の法度や習慣で明治新政府になって明文化されたものなどあるのでしょうか?そういう法律が他にないのであれば、この法律一つだけが江戸の遺物だとは考えにくいと思い調べました。ドイツ・フランスとも明治政府が多くの法律を参考にした国々です。明治政府はもともとの法律はフランスから、解釈はドイツから多くの法律を輸入したようです。まあ、この制度がフランス製かどうかの確証はありませんが、少なくとも両国に良く似たものがあるようなので報告しておきます。

 

ドイツ

 連帯保証制度も根保証の制度もある。特に小規模家族経営の会社の社長は会社の借り入れのときに連帯保証人となることが一般的。さらに、社長の家族もしばしば資産隠し防止のために保証人となることが求められる。ドイツでは1999年まで免責制度がなかったため連帯保証人は一生支払い義務があった(但し最低限の生活は保証される)。ただし1994年に連邦通常裁判所で「保証人の支払い能力を超える保証契約は、公序良俗に反す」の判決。

 

フランス

個人の保証を要求するケースはないわけではなく、ドイツ同様家族経営の小規模企業では行われている。ただし近年保証機関が充実してきたため、個人保証を求めるケースは少なくなってきている。素人保証人についての法的保護は充実しており、保証人が契約内容を知らずにサインした場合は保証契約自体が無効となる。また、「私は検索の抗弁の権利を放棄し、**と連帯して責任を負います」のような書類を本人の手書き(**部分)で作成することを求めている。また、年に一度、保証内容を保証人に知らせることを義務付けている。

 

出典  升味佐江子(弁護士) 「欧米なみの個人保証人保護を日本にも」

 

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